お客様事例

萩原建設工業株式会社様

クルマで数時間かかる現場から送られてきたGリポートの映像を見ながら、指示を出す発注者側の監督官

エコモット(本社:札幌市)が2020年7月に発売した遠隔臨場システム「Gリポート」は、オンライン会議のように現場の立会検査が行えるシステムだ。現場への「移動のムダ」をなくし、その時間を他の業務に生かせるので、発注者や建設会社の検査担当者に好評を博している。そのため、出荷台数は当初目標の3倍を超える勢いだ。北海道・帯広市に本社を置く萩原建設工業のGリポート活用現場を直撃取材した。
※本記事は、建設ITワールドに記事を作成いただいています。

スイッチを入れるだけで遠隔臨場が開始

「はい、次は鉄筋にスケールを当てたところを映してください。本数や径は設計通りになっているのがわかりました。次は法面の方に移動してください」—現場を撮影する施工管理者のヘッドセットから流れてくる声の主は、百キロメートルほど離れたところにある発注者の事務所にいる監督官だ。
北海道帯広市に本拠を置く萩原建設工業の現場では、2020年8月以降、オンライン会議のように立会検査や社内検査などを行う風景が見られるようになった。

現場の映像を映しながら、オフィスにいる監督官などとオンライン会議が行える「Gリポート」の端末

法面にスケールを当ててGリポートで映像を発注者に中継する現場の技術者

植栽工の施肥作業を現場から中継

同社が導入したのは、エコモットと中山組(本社:北海道札幌市)が開発・提供する遠隔臨場システム「Gリポート」だ。専用アプリをインストールしたAndroid版スマホに、スマホの向きを一定に保つ3軸の「ジンバル」を取り付けた構造だ。すべての重量を合わせても、500gにも満たないので持ち歩きも楽だ。
これが現場に1台あれば、現場をカメラで写しながら、立会検査をオンラインで行う「遠隔臨場」や社内検査などが手軽に行えるのだ。
一方、検査などを行う側には、インターネットに接続された普通のパソコンやタブレット端末などがあればよい。
操作も簡単だ。アプリをインストール済みの遠隔臨場専用機として作られているので、電源スイッチを入れるだけですぐに使える。発注者側はウェブブラウザーで、特定のURLにアクセスするだけでいい。

現場側のスマホ画面に映った風景

ジンバル付きなので歩いても手ぶれが少ない映像を送れる

手前側のカメラに切り替えると、現場にいる技術者とオンライン会議のように会話できる

簡単、快適、低コスト

「最近、ヘルメットにカメラを取り付けて現場を映すオンライン会議システムも登場していますが、被写体が低いところや高いところにあると、撮影者は無理な姿勢をとる必要があります。その点、Gリポートは手に持ったスマホを被写体に近づけることができるので、とても楽です」と、萩原建設工業土木部次長の大久保正博氏は語る。
携帯端末をそのまま使う場合は、映像がぶれてしまい、検査が長時間にわたる場合は発注者側の疲労も蓄積してしまう。
「その点、Gリポートはジンバル付きなので、手振れなどがほとんど感じられません。例えば、200mくらいの法面の出来形検査を一度に行っても、発注者から疲れたといった声は聞かれませんでした」と、同社の道路工事現場で監理技術者を務める江本啓二氏は説明する。
検査を行う発注者側からも、遠隔操作でスマホのカメラのズームを変えられるので、現場の担当者に声で指示することなく、目的の部分を確認できる。

発注者側からも遠隔操作でカメラのズームを自由に変えられるのでストレスがない

そして通信環境がよくない場合は、動画の解像度を落とすことで、確実でストレスのない映像と音声の通信が確保できる仕組みになっている。
また、実物の鉄筋やスケールの目盛りなどをクリアに写せる性能を生かして、萩原建設工業では、Gリポートを真下に向けて固定し、図面や書類などを書画カメラのように写しながら、Teamsで画面共有しながらオンライン会議を行うこともあるという。

Gリポートで図面などを画面共有しながらのオンライン会議も可能だ

このように、Gリポートが現場での実用性を細部まで考慮されているのは、工事現場とのコラボレーションが多く、現場の実情を熟知したエコモットの技術者が一からシステムを開発しているからだ。そして、現場からの感想や要望を聞いて、さらに製品を改良していく。この好循環が、製品の実用性や使い勝手をさらに高めていく。
その使用料金は、ハードとソフトのほか、月間の通信料金まで含めて、1台当たり月間でわずか数万円と、驚きの低価格なのだ。

260キロ離れた現場もらくらく社内検査

萩原建設工業では2020年8月下旬からGリポートを本格導入し、現在は7つの現場と本社で使用している。その用途は、発注者による遠隔臨場にとどまらない。
例えば、本社からクルマで約2時間の北海道横断自動車道や、片道4時間の歯舞漁港の現場などでは、同社が独自で行う品質管理の社内検査をオンラインで行うほか、毎月1回行う安全パトロールの間に、オンラインによる現場のチェックを追加することで、さらに高度な安全管理を行っている。

北海道横断自動車道の現場からオンライン取材に答える江本啓二氏

このほか、生コンクリートを製造する工場にも導入した。「生コンクリートの試験は、製造時の現場受け入れ検査のほか、7日強度、14日強度、28日強度など、頻繁に強度試験が行われます。Gリポートがあれば、いちいち工場まで出掛けなくても立会試験が行えるので助かります」と萩原建設工業土木部技術管理課課長の高山正宏氏は語る。
同じく技術管理課の岩間輝氏は、「北海道の山間部原野で行われる工事現場では、携帯電話の電波が届かないところもあります。そんなところでも、エコモットがネット回線のある場所から数キロメートルのWi-Fi伝送を行い、現場にネットワーク環境を構築してくれたのでGリポートが問題なく使えています」と言う。

ユーザーが急増、出荷目標を3倍以上に修正

Gリポートを手にする萩原建設工業の技術者たち。左から土木部技術管理課の岩間輝氏、同課長の高山正宏氏、土木部次長の大久保正博氏

これまで、エコモットは道路や河川など、さまざまな現場にセンサーや通信機器などを設置し、IoT(モノのインターネット)化を図ってきた経験と実績がある。「どうしてもネット回線が近くにないときは、衛星電話を使う手段も残されています」とエコモットマーケティンググループマネージャーの國塚篤郎氏は説明する。
Gリポートは使いやすさが建設会社などに評価され、ユーザーが急増している。2020年7月の提供開始時には、年間300台月(※)を目標にしていたがわずか3カ月後には450台に達する見込みだ。そして11月には年間1000台月と目標を上方修正した。当初の3倍以上だ。
(※注:台月とはレンタル台数とレンタル期間を掛け合わせた累積出荷実績数)

コロナ禍による現場での3密防止や、現場業務のテレワーク化も、Gリポートを導入することで即座に実現できる。オンライン会議の便利さを現場まで延長し、生産性向上を実現したい建設会社や発注者は、Gリポートを使ってみてはいかがだろうか。

※本記事は、建設ITワールドに記事を作成いただいています。
※本事例の内容は2021年2月公開当時のものです。本事例の内容は公開当時より変更されている場合がありますので、予めご了承ください。

お使いいただいた製品

  • 遠隔臨場システム「Gリポート®」

    NETIS技術名称:現場検査特化型 遠隔臨場システム「Gリポート」
    遠隔臨場に特化したコミュニケーションツールです。自由な画角調整が可能なハンディスタイルと、ヘルメットに固定するウェアラブルスタイル。1台のデバイスで2つの撮影スタイルに対応することが可能。
    現場での使い勝手を徹底追求することで、安全対策や出来形管理に伴う隔地での段階確認、材料確認、立会をストレスから解放します。