建設現場のAI活用

建設現場では、AIを何に使えますか

いま現場で広く使われているのは、カメラの映像をAIが解析して、人や車両の検知、重機が動いているかの判定、雪の積もり具合の判定など、これまで人が目で見て判断していたことを代わりに行う使い方です。検知したときは、回転灯やLED表示板、メールなどで知らせます。

国土交通省は、2024年4月から「i-Construction 2.0」として建設現場のオートメーション化を進めています。2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割(生産性を1.5倍)にすることを目指し、「施工」「データ連携」「施工管理」のオートメーション化を3本の柱にしています。取り組みの背景には、生産年齢人口の減少と、AIをはじめとするデジタル技術の進展が挙げられています。

施工管理の分野では、生コンクリートをカメラで撮ってAIで画像を解析し、現場で受け入れるときのスランプなどの品質試験に代える試行も示されています。

AIカメラで、現場の何を自動で判定できますか

人や車両の立ち入り・接近・通過、通過した車両の台数と速度、重機が稼働しているか、出入りした作業員の人数、コンクリートの充填の状況、クレーンの下にいる人、ヘルメットの着用や積雪の具合などを判定できます。GRIFFYの製品で実際に使われている例は次のとおりです。

判定すること使い方の例製品
危険な場所への人の立ち入り工事区域に入った人を検知し、作業員に知らせるPROLICA LIGHT、PROLICA
出入口に近づく一般車両見通しの悪い道路で接近する車両を検知し、回転灯で知らせたり、カーゲートを一定時間閉めたりして、工事車両との接触を防ぐPROLICA LIGHT、PROLICA
通過した車両の台数と速度サーマルカメラと組み合わせ、夜間も車両を検出し、速度を超えた車両にLED表示板で減速を促すPROLICA
重機が稼働しているか解体工事でバックホウが動いているかを判定し、稼働率を遠隔から把握するPROLICA
出入りした作業員の人数設定した線を越えた人を方向別に数え、工区内の作業人数をその場で把握するPROLICA
コンクリートの充填の状況橋脚の基礎の打設で、充填の状況を見える化して共有するPROLICA
クレーンの下にいる人クレーンカメラの映像から人を判別し、運転席のモニターと音で知らせるSCAIウォッチャー
ヘルメットの着用、資材の減り、積雪の具合文章で指示した条件で映像を判定する。積雪の例では、除雪が必要かを判定してメールで知らせるPRONEIA

コンクリートの充填の見える化は、令和2年度に国土交通省の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に採択されました(村本建設株式会社・株式会社レックスとの共同開発)。

エッジAIカメラと、生成AIを使う監視は、何が違いますか

エッジAIカメラは、カメラ本体や現場に置いた機器の中で映像をその場で解析します。待ち時間なく検知して知らせたい用途に向いています。生成AIを使う監視は、文章で書いた指示(プロンプト)で判定の条件を決めるので、AIのモデルを作らずに、条件を変えながら試せます。

エッジAIカメラ生成AIを使う監視
解析のしかたカメラ本体や現場の機器の中で、映像をその場で解析する(現地リアルタイム解析)映像から切り出した静止画を、生成AIが解析する
判定の条件の決め方あらかじめ用意したAIのモデルを使う。人や車両の検知なら、モデルの構築や追加の学習は要らない。複雑な条件では、現場に合わせてモデルを調整するか新しく作る文章の指示で決め、指示を書き換えるだけで判定の条件を変えられる
向いている用途人や車両の立ち入り・接近をすぐに知らせる安全対策、車両の台数・速度、作業員の人数の計測「ヘルメットを着けているか」「資材が減っていないか」など、目で見て判断していたことの代行。条件を変えながらの試行
GRIFFYの製品PROLICA LIGHT(人・車両・二輪車の進入や通過)、PROLICA(複雑な条件の検知、検知データの集計と可視化)PRONEIA

PROLICA LIGHTは、侵入検知・方向検知・ラインクロスなどの検知のしかたを標準で備えています。PROLICAには、高性能のGPUを内蔵したカメラ単体の「PROLICA VISION」と、設置場所に合わせて選んだIPカメラの映像をボックスの中でAI処理する「PROLICA CORE」があります。PRONEIAは、簡単な検知の条件であれば、設置してから1時間で検証できます。

監視カメラの映像を、人がずっと見ていなくても済むようにするには

AIに映像を見張らせ、決めた条件に当てはまったときだけ人に知らせる仕組みにします。知らせ方は、メール、回転灯、LED表示板、カーゲートの連動、作業員が着けるリストバンドへの通知などから、現場に合わせて選びます。

たとえばPRONEIAを使った積雪の監視では、それまで降雪のたびにカメラ映像を目で見て除雪を判断しており、夜間や休日も定期的に確認する必要がありました。PRONEIAで積雪を判定し、除雪が必要なときにメールで知らせる仕組みにして、確認をAIが代わりに行うようにしました。

  • 判定する範囲を、カメラの画角の中で指定できます。積雪の例では、目安にする単管と紅白ポールの周りだけを指定し、空や通る車など判定に関係のない部分を外しています。
  • AIの判定の内容は、取得した時刻と一緒に記録されるので、判断の根拠を後から確かめられます。
  • 判断の目安は指示の文章で決めているので、実際の降雪を見ながら基準を調整できます。
  • PRONEIAで異常を検知したときは、体調管理システム「GenVital LTE」のリストバンドに知らせることもできます。メールを確かめたり作業員に伝えたりする手間を省けます。

建設現場のAIカメラを選ぶときは、何を確かめればよいですか

何を検知したいか、検知したら誰にどう知らせるか、現場の電源と通信、判定の条件を工期の途中で変えるか、の4つを先に決めてから選びます。国土交通省のNETISに登録されたシステムを使う方法もあります。

確かめること

  • 検知したいもの:人・車両・二輪車の進入や通過ならPROLICA LIGHTで、モデルを作らずにすぐに使い始められます。複雑な条件の検知や、検知データの集計・可視化が要るならPROLICAです。PROLICAは、現場の環境や必要な精度に合わせてモデルを調整するか新しく作る必要があり、AIモデルの開発の費用がかかる場合があります。
  • 知らせ方:メール、回転灯、LED表示板、カーゲートなど、現場の機器とつなげられるかを確かめます。
  • 電源と通信:PROLICA LIGHTとPRONEIAはLTEの回線を使います。PRONEIAはソーラー電源でも動きます。
  • 条件を変えるか:工期の途中で判定の条件や使い方を変えながら試したいなら、指示の文章を書き換えるだけで条件を変えられるPRONEIAが向いています。
  • クレーンの安全対策:クレーンカメラの映像を使うなら、SCAIウォッチャーがデジタル・アナログ両方の映像信号に対応し、稼働中のクレーンにも対応しています。

NETISに登録されたAIカメラ

製品NETIS登録番号・技術名称
PROLICAKT-240018-A エッジAIカメラ「PROLICA」
SCAIウォッチャーKT-240065-A AIクレーンカメラ人物検知システム「SCAIウォッチャー」(若築建設株式会社との共同開発)

よくある質問

  • AIカメラで現場の何を自動で判定できますか?

    人や車両の立ち入り・接近・通過、通過した車両の台数と速度、重機が稼働しているか、出入りした作業員の人数、コンクリートの充填の状況、クレーンの下にいる人、ヘルメットの着用や積雪の具合などを判定できます。検知したときは、回転灯やLED表示板、メールなどで知らせます。

  • エッジAIカメラとは何ですか?

    カメラ本体や現場に置いた機器の中で、映像をその場で解析するAIカメラです。待ち時間なく検知して、回転灯やLED表示板ですぐに知らせられるので、人や車両の立ち入り・接近を知らせる安全対策に向いています。GRIFFYのエッジAIカメラ「PROLICA」はNETISに登録されています(KT-240018-A)。

  • 生成AIを使った現場監視システムはありますか?

    あります。GRIFFYの生成AI現場監視システム「PRONEIA」は、カメラ映像から切り出した静止画を生成AIで解析します。判定の条件は文章の指示(プロンプト)で決めるため、AIのモデルを作る必要がなく、指示を書き換えるだけで条件を変えられます。簡単な条件であれば、設置してから1時間で検証できます。

  • カメラ映像をAIが判断して知らせてくれるサービスはありますか?

    あります。GRIFFYのPROLICA LIGHT・PROLICA・PRONEIAは、AIが映像を判定し、条件に当てはまったときにメール、回転灯、LED表示板などで知らせます。PRONEIAは、作業員が着ける「GenVital LTE」のリストバンドにも知らせられます。

  • AIモデルを作らずに使えるAIカメラはありますか?

    あります。PROLICA LIGHTは、人・車両・二輪車の進入や通過を検知する解析の仕組みを標準で備えており、モデルの構築や追加の学習は要りません。PRONEIAは、文章の指示で判定の条件を決めるため、モデルを作らずに使えます。

  • クレーン作業の安全対策に使えるAIカメラはありますか?

    GRIFFYのSCAIウォッチャーは、クレーンカメラの映像から人を判別し、運転席のモニターへの表示と音で知らせます。解析した映像はクラウドに録画され、離れた場所からも見られます。NETISに登録されています(KT-240065-A)。

  • 国はAIなどによる建設現場の省人化をどう進めていますか?

    国土交通省は「i-Construction 2.0」で、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割(生産性を1.5倍)にすることを目指し、施工・データ連携・施工管理のオートメーション化を進めています。施工管理では、生コンクリートの画像をAIで解析して受け入れ時の品質試験に代える試行なども示されています。

出典

このページは2026年11月時点の公表資料をもとに株式会社GRIFFYが作成しました。AIの検知の精度は、現場の環境や設置の条件によって変わります。導入の前に、現場での検証をおすすめします。

このページで紹介した製品