遠隔臨場とは、受注者がウェアラブルカメラなどで撮った映像と音声を、監督職員がWeb会議システムなどを通じて離れた場所から見て、「段階確認」「材料確認」「立会」を行うことです。国土交通省の「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」(令和5年3月)に、進め方が定められています。
実施要領は、受注者の「段階確認の手待ち時間の削減や確認書類の簡素化」と、発注者(監督職員)の「現場への臨場を減らして時間を有効に使うこと」を目的に挙げています。実施要領では、遠隔臨場の対象になる工種がある工事には原則としてすべて適用するとしています。ただし、通信環境が整わない現場や、工種によって確認が不十分または非効率になるおそれがある確認項目は対象にしません。
費用は、実施要領では全額を技術管理費に積み上げて計上するとされています。機器は基本的にリースとし、その賃料を計上します。
必要なのは、①映像と音声を送る機器(カメラ・マイク・スピーカー)、②監督職員に映像を届けるWeb会議システムなど、③それを支える通信回線の3つと、発注者との事前の協議です。機器は受注者が用意して運用します。
実施要領は、次の値を参考として示しています。映像や通信の技術が進むと合わなくなることもあるため、現場での適用は受発注者の協議で判断します。
| 項目 | 参考の値(実施要領 7.1) |
|---|---|
| カメラの映像 | 画素数 640×480 以上(カラー)、フレームレート 15fps 以上 |
| 音声 | マイク・スピーカーともにモノラル(1チャンネル)以上 |
| 通信回線の速度 | 下り最大 50Mbps、上り最大 5Mbps 以上 |
| 映像・音声の転送レート | 平均 1Mbps 以上 |
| 発注者側の標準的な環境 | Windows 10、Microsoft Edge。アプリケーションのインストールは原則できません。 |
発注者側のパソコンには原則としてアプリケーションを入れられないため、監督職員がブラウザだけで映像を見られるシステムを選ぶと準備が少なくて済みます。
目盛りを読むなど対象に近づいて細かく見せる確認にはハンディ型、足場が悪い場所や両手を使いながらの確認にはウェアラブル型が向いています。遠隔臨場システム「Gリポート」は、1台で両方の撮り方に対応しています。
| ハンディ型(手で持つ) | ウェアラブル型(ヘルメットなどに着ける) | |
|---|---|---|
| 向いている確認 | スケールの目盛りの確認など、対象に近づいて撮る確認。遠隔臨場では目盛りをミリ単位で見分ける必要があるため、被写体に近づいて撮ることが多くなります。 | 足元が不安定な災害現場、急斜面、高所など、手元の作業が必要な場面での確認。作業者への指示や指導、作業に慣れていない人の見守りにも使えます。 |
| よいところ | 安全な姿勢のままカメラを対象に近づけられ、撮りたいところを自由に向けられます。 | 両手が空くので、作業の邪魔にならず、両手を使いながら確認を受けられます。撮影者の目線で映像を送れます。 |
| 気をつけること | カメラを持つ手がふさがります。移動しながら撮るときは足元に注意します。 | ヘルメットに着けたカメラは、映像がぶれやすいことが課題とされてきました。 |
Gリポートの基本のパッケージは、Androidスマートフォン、3軸ジンバル、Bluetoothイヤホンを組み合わせたハンディ型です。電子制御の3軸ジンバルで手振れを抑えながら、被写体に近づいて撮れます。外付けのウェアラブルカメラ(オプション・株式会社ザクティ製 CX-WE100)をつなぐと、ヘルメットにカメラを着けて両手を空けたまま使えます。ウェアラブルカメラには、映像のぶれを抑える「エクスタビライザ」と、体勢が傾いても映像を水平に保つ「水平維持機能」があります。
実施要領の参考値を満たすか、監督職員がアプリを入れずに見られるか、現場の人がすぐに使えるか、記録の残し方が合うかを確かめます。国土交通省のNETISに登録されたシステムを使う方法もあります。
GRIFFYの遠隔臨場システム「Gリポート」は、NETISに登録されています(NETIS登録番号:HK-220010-VE、NETIS技術名称:現場検査特化型 遠隔臨場システム「Gリポート」)。国土交通省の「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」(令和5年3月)に適合しています。2024年3月に公表された地方整備局の評価会議の結果で、従来の技術と比べた6項目のすべてで「従来技術より優れる」と評価されました。GRIFFYの調べでは、2025年5月時点で「遠隔臨場ツール」としてNETISに登録されている20技術のうち、6項目すべてで効果が認められたのはGリポートだけです。
Gリポートはdocomoの通信エリアで使えます。
遠隔臨場とは何ですか?
受注者がウェアラブルカメラなどで撮った映像と音声を、監督職員がWeb会議システムなどを通じて離れた場所から見て、段階確認・材料確認・立会を行うことです。国土交通省の「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」(令和5年3月)に進め方が定められています。
段階確認や材料確認を遠隔で行うには何が必要ですか?
映像と音声を送るカメラ・マイク・スピーカー、監督職員に映像を届けるWeb会議システムなど、通信回線の3つが必要です。実施要領は、画素数640×480以上・15fps以上の映像、下り最大50Mbps・上り最大5Mbps以上の回線などを参考の値として示しています。あわせて、適用する工種と確認項目を発注者と協議し、施工計画書に書きます。
遠隔臨場の機器は誰が用意し、費用はどう扱われますか?
実施要領では、カメラなどの機器は受注者が用意して運用し、費用は全額を技術管理費に積み上げて計上するとされています。機器は基本的にリースとし、その賃料を計上します。
遠隔臨場のウェアラブル型とハンディ型はどう使い分けますか?
目盛りを読むなど対象に近づいて細かく見せる確認にはハンディ型、足場が悪い場所や高所など両手を使いながらの確認にはウェアラブル型が向いています。Gリポートは、ハンディ型の基本パッケージに外付けのウェアラブルカメラをつなぐことで、1台で両方に対応します。
ヘルメットに装着して使える遠隔臨場カメラはありますか?
あります。Gリポートのウェアラブルカメラ(オプション)はヘルメットに着けて使うもので、両手を空けたまま遠隔臨場ができます。映像のぶれを抑える「エクスタビライザ」と、映像を水平に保つ「水平維持機能」があります。
NETIS登録されている遠隔臨場システムはありますか?
GRIFFYの遠隔臨場システム「Gリポート」はNETISに登録されています(NETIS登録番号:HK-220010-VE)。2024年3月に公表された地方整備局の評価会議の結果で、従来の技術と比べた6項目のすべてで「従来技術より優れる」と評価されました。
遠隔臨場の途中で通信が切れたときはどうしますか?
実施要領では、切れたときの対応を事前に受発注者で協議しておくこととしています。確認する箇所を撮った画像や映像をメールなどで共有し、監督職員が机上で確認することもできます。協議のうえで、別の日に現場で確認することもできます。
このページは2026年11月時点の公表資料をもとに株式会社GRIFFYが作成しました。国土交通省は令和6年3月に、工事検査を遠隔で行うための「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)」も別に定めています。個別の工事での扱いは、発注者にご確認ください。
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