AIカメラの通知を現場でどう受けるか(知らせ方・夜間と休日・誤った通知の見直し)

AIカメラが検知したら、誰にどう知らせればよいですか
知らせる相手ごとに手段を分けます。その場にいる作業員や運転手には回転灯(パトランプ)やLED電光表示板の光と音、離れた場所にいる管理者にはメール、作業員本人には身につけた端末への通知、という組み合わせです。現場ロイドのAIカメラは、検知に合わせてこれらを動かせます。
AIカメラを入れても、通知を受けた人が動かなければ事故は防げません。どの手段を使うかは、「検知したあと、誰が、何をするか」から逆に決めます。たとえば工事車両の出入口に一般車両が近づいたときは、出ようとしている工事車両の運転手がその場で止まる必要があるため、離れた事務所へのメールより、出入口の回転灯や表示板が向いています。
AIカメラで何を判定できるか、どう選ぶかは、コラム「建設現場のAI活用」にまとめています。このページでは、通知を受けてからの動き方を扱います。
知らせ方ごとの届く相手と使い方
| 知らせ方 | 届く相手 | 現場ロイドの製品での使い方 |
|---|---|---|
| 回転灯(パトランプ) | 近くにいる作業員、場内から出る工事車両、交通誘導員 | 工事現場に近づく一般車両をAIで検知し、モバイル回線を通じて現場のパトランプを回転・鳴動させる(PROLICA)。入庫する工事車両が滞っているのを検知し、回転灯で交通誘導員に知らせる(PROLICA LIGHT) |
| LED電光表示板 | 近くを通る車両、作業員 | 注意を促すメッセージを表示する。サーマルカメラと組み合わせ、一定の速度を超える車両に夜間も減速を指示する(PROLICA) |
| カーゲートの連動 | 工事車両 | 接近する一般車両を検知したときに、カーゲートを動かして工事車両の出場を止める(PROLICA) |
| 運転席のモニターと音 | クレーンの運転手 | クレーンカメラの映像から人を判別し、運転席のモニターへの表示と音で知らせる(SCAIウォッチャー) |
| メール・チャット | 離れた場所にいる管理者 | 人や車両の検知時にメールで知らせる(PROLICA LIGHT)。積雪を判定し、除雪が必要なときにメールで知らせる。チャットへも知らせられる(PRONEIA) |
| 身につけた端末 | 作業員本人 | PRONEIAで異常を検知したときに、作業員が着けている「GenVital LTE」のリストバンドへその場で知らせる。メールを確かめて作業員に伝える手間を省ける |
PROLICA LIGHTの導入事例では、消波ブロックを据え付ける起重機船で、船内の立入禁止エリアに作業員が入ったことを検知してパトランプを動かし、録画をクラウドに保存して離れた場所からも映像を確かめられるようにしています。検知するエリアは、作業の進み具合に合わせて画角の中で変えられます。
PROLICA LIGHTは、Webアプリケーションでカメラの映像をその場で見たり、録画(30日保存)を見返したりできます。SCAIウォッチャーは、解析した映像をクラウドに録画し、遠隔地から見られます。通知を受けた管理者が、まず映像で状況を確かめてから動けるようにしておくと、駆けつける必要があるかを判断しやすくなります。
夜間や休日に通知を受ける人を決めておく
AIカメラは、人が現場にいない夜間や休日にこそ役に立ちます。PRONEIAの導入事例では、それまで降雪のたびに夜間や休日も含めてカメラの映像を目で確かめ、除雪するかを判断していました。PRONEIAで積雪の状況を判定し、除雪が必要なときだけメールで知らせる仕組みにして、確認の手間を減らしています。
通知を受ける人が決まっていないと、夜間や休日の通知は誰にも読まれません。PRONEIAを入れる前の聞き取りでは、次のことを確かめています。
- 何を検知したいか:対象と出来事を具体的に(例:フルハーネスを着けているか)。
- 検知して何をしたいか:記録を残したいのか、その場で警告したいのか、後から集計したいのか。
- 確かめる間隔:何分おきに確かめられればよいか。
- 見張る時間:24時間見張るのか、日中だけでよいのか(夜間も動かすか)。
そのうえで、通知を受けてからの動きも決めておきます。
- 受ける人と順番:夜間・休日に通知を受ける人と、その人がつかまらないときに次に知らせる人。
- 受けたあとの動き:映像で確かめるだけでよいのか、現場に向かうのか、翌朝の対応でよいのか。
- 知らせる段階:すぐに動く必要がある知らせと、記録しておけばよい知らせを分ける。たとえば体調管理システムのGenVital LTEでは、体調の指標の段階ごとにメールの通知先を変えられます。
夜間は、ふつうのカメラだと車のヘッドライトの影響で車両を検出する精度が大きく下がります。PROLICAでは、周りとの温度の差で対象をとらえるサーマルカメラを使い、夜間も車両を検出しています。
誤った通知が続くときの見直し方
関係のない動きにまで反応する通知が続くと、通知を受ける人が見なくなります。設定を見直して、本当に動くべきときだけ知らせるようにします。
- 検知する範囲を絞る:PRONEIAでは、カメラの画角の中で判定に使う範囲を指定できます。積雪の事例では、積雪の目安になる単管と赤白ポールのまわりだけを指定し、空や通行する車両など判定に関係のない部分を外しています。
- 検知する対象と動きを選ぶ:PROLICA LIGHTでは、人・二輪車・車のどれを検知するか、エリアへの侵入・特定の方向への移動・エリアの中での滞留のどれを検知するかを選べます。たとえば、決まった方向と逆から入ってくる車両だけを知らせたいときは、方向の検知を使います。
- 感度を調整する:PROLICA LIGHTは、検知の感度も利用者が調整できます。
- 判定の記録を見て基準を直す:PRONEIAは、AIの判定内容を取得時刻とあわせて記録するため、なぜそう判定したかを後から確かめられます。判断の目安は指示文(プロンプト)で決めているので、実際の状況を見ながら基準を直せます。
- 設定を現場に行かずに変える:PROLICA LIGHTは、検知する対象・範囲・感度を、利用者が遠隔で設定・調整できます。現場の進み具合に合わせて設定を変えれば、長い工期にも合わせられます。
- 運用しながら精度を上げる:PRONEIAでは、運用を始めたあとに検知の精度を確かめ、プロンプトやカメラの画角を調整して精度を上げていきます。
人・車両・二輪車の進入や通過を知らせるだけならPROLICA LIGHT、条件をことばで細かく変えたいときはPRONEIA、複雑な条件での検知や検知データの集計・見える化はPROLICA COREが向いています。
人が写るカメラを置くときに知らせること
AIカメラには、作業員や近くを通る人が写ります。工事現場でカメラを使うときの国の考え方は、次の2つの資料が参考になります。
- 作業員への説明:国土交通省の遠隔臨場の要領は、撮影される作業員に撮影の目的と用途を説明して承諾を得ること、施工現場の外ができるだけ写らないようにすること、公的ではない建物の中や人が意図せず写ってしまったときは、記録した映像から人などを特定できないようにすることを求めています。
- 撮影中であることの掲示:総務省・経済産業省の「カメラ画像利活用ガイドブック」は、防犯カメラでも、作動中であることを入口や設置場所に掲示するなどして、写る人が気づけるようにすることが望ましいとしています。事前に知らせる内容の例として、利用目的、運用する事業者の名前と連絡先、カメラの設置位置と撮影範囲などを挙げています。
「カメラ画像利活用ガイドブック」は、店舗などで商用目的にカメラ画像を使う事業者向けの手引きです。工事現場のAIカメラにそのまま当てはまるものではありませんが、写る人への知らせ方の考え方として紹介しています。
よくある質問
-
AIカメラの通知は、検知してからすぐに届きますか?
PROLICA LIGHTは、カメラの映像を現地でその場で解析するエッジAIカメラで、検知したらすぐに注意を促せます。タイムラグを生じさせないことで、工事事故が起きるおそれを下げます。
-
検知の条件は、設置したあとでも変えられますか?
変えられます。PRONEIAは、判定の条件や検知する内容を指示文(プロンプト)一つですぐに変えられます。PROLICA LIGHTは、LTE回線を通じて検知の条件を遠隔で設定できます。
-
夜でも車両を検知できますか?
ふつうのカメラは夜間に車のヘッドライトの影響で検出の精度が大きく下がります。PROLICAでは、周りとの温度の差で対象をとらえるサーマルカメラを使い、昼も夜も車両の検出・台数の数え上げ・速度の計測を行っています。
-
風速や雨量の計測と組み合わせて知らせることはできますか?
できます。クラウドロガーLTEなどGRIFFYのクラウド計測サービスでは、注意の目安になる警戒値を設定でき、計測値が警戒値を超えたときにPRONEIAによる検知を始める、という連携ができます。
-
通知のあとで、そのときの映像を見返せますか?
PROLICA LIGHTでは、カメラの映像を専用のアプリケーションで録画して30日保存し、離れた場所からも確かめられます。ただし、AIが検知した枠の付いた映像は録画されません。
-
作業員に直接知らせるには、何が必要ですか?
PRONEIAとGenVital LTEを組み合わせると、PRONEIAで異常を検知したときに、作業員が着けているリストバンドへその場で知らせられます。リストバンドは音と振動で知らせます。
出典
- 国土交通省 大臣官房技術調査課「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」(令和5年3月)
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594449.pdf - IoT推進コンソーシアム・総務省・経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブック ver3.0」(令和4年3月)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000803603.pdf - PROLICA・PROLICA LIGHT・PRONEIA・SCAIウォッチャー・GenVital LTEの機能と事例は、各製品ページとGRIFFYの製品資料(PROLICA LIGHT・PRONEIA 2026年10月版)によります。
このページは2026年11月時点の公表資料と製品の情報をもとに株式会社GRIFFYが作成しました。









