コラム

現場のDX 公開日/更新日

小規模な土木工事の現場DXの始め方(何から始めるか・購入とレンタル・機器をそろえる考え方)

現場DXは、1つの作業から試す 購入とレンタル・機器のそろえ方(ノートパソコンとヘルメットの写真)

少人数の土木会社が現場のIoT化を始めるには、何から手をつければよいですか

時間がかかっている現場の作業を1つ選び、その作業を置き換える機器を、1つの現場で、期間を決めて試すことから始めます。最初から多くの機器をそろえる必要はありません。

小さく始める理由

国土交通省は、ICT施工(建設機械に設計データを入れて施工する方法など)を中小建設業に広げる方策をまとめています。その資料では、中小建設業がICT施工に取り組まない理由として、「施工量が小さいため従来の施工方法で十分」「高価な機械を購入しても稼働率が上がらず、投資回収に時間がかかる」などの声を挙げています。

そのうえで国土交通省は、小規模工事を対象に、簡単なICT技術から始められる「導入型ICT活用工事」の枠組みを示しています。工事の中身に合わせて、必要以上の機能を持つ技術を選ばないこと、使ってみて便利さを確かめてから次の段階に進むことを狙いとしています。この資料はICT施工についてのものですが、カメラやセンサーを使う現場のIoT化でも、同じ順番で考えると始めやすくなります。

始めるときの手順

  1. 現場で時間がかかっている作業を書き出します。たとえば、見回り、計測値の記録、夜間や休日の確認、発注者の立会のための移動です。
  2. その中から1つを選び、置き換える道具を決めます(下の表)。
  3. 現場に電源と携帯電話の電波があるかを確かめます。電源や電波がない場合の方法は、このページの「小規模な土木工事でも導入できる現場DXツール」で説明しています。
  4. 1つの現場で、期間を決めて試します。現場ロイドでは、購入かレンタルかを決めるために、デモ機を14日間無償で借りられるデモ機貸出サービスがあります。
  5. 手間がどれだけ減ったかを確かめてから、次の現場や別の作業に広げます。
置き換えたい作業 道具の例 現場ロイドの製品・解説
見回り・夜間や休日の確認 離れた場所から映像を見られるカメラ ミルモット®HD、Gステイト®、スマートフォンアプリGRIFFY CAM
水位・雨量などの計測と記録 計測値を自動でクラウドに送る装置 クラウドロガー®
異常を現場の人に知らせる 離れた場所から鳴らせるパトランプ パトロイド
発注者の立会のための移動 遠隔臨場の機器 遠隔臨場システム「Gリポート®」。進め方は遠隔臨場の始め方
配筋検査の計測と帳票づくり 画像で配筋を計測するシステム デジタルデータを活用した配筋検査
暑さ・強風・大雨の判断 気象の計測と予測 建設現場の熱中症対策、建設現場の風水害対策
映像を人が見続ける作業 AIカメラ 建設現場のAI活用

ICT建設機械を使う施工について相談したい場合は、国土交通省の地方整備局などが、ICT施工の研修や、未経験の会社に助言するアドバイザーの制度を設けています(2024年9月時点で7つの地方整備局等)。

小規模な土木工事でも導入できる現場DXツールはありますか

あります。小規模な工事で使いやすいのは、通信や電源の工事をしなくても据え付けるだけで使え、工期に合わせて借りられる機器です。現場ロイドのカメラやセンサーはモバイル通信でつながり、多くはソーラー電源などの独立した電源で動くため、通信や電源の工事なしで設置できます。

小規模な工事で確かめること

確かめること 現場ロイドの場合
通信の工事が要るか 機器を制御する端末は、携帯電話と同じモバイル通信で専用のクラウドサーバとつながります。LAN配線やWi-Fiの用意は要りません(どこでも設置可能)。
電源の工事が要るか 多くの機器は、ソーラー電源などの独立した電源で動きます。ソーラー電源システムSOBAT®は、ソーラーパネルとバッテリーボックスの組み合わせを、機器の使い方(24時間使うかどうかなど)に合わせて当社が選びます。100V電源がある場所では、コンセントにつなぐだけで使えるカメラ(Gステイト)もあります。
設置の手間 Gステイトは、カメラに付いたクランプを単管に取り付けて電源を入れると、初期設定なしで映像の配信と録画を始めます。ミルモットHDはソーラー電源でも使えるカメラで、電源を取れない場所でも、カメラにケーブルをつないで電源を入れると監視を始められます。
見るための道具 Gステイトの映像は、パソコンやスマートフォンのWebブラウザで見られ、専用のソフトを入れる必要はありません。スマートフォンアプリ「GRIFFY CAM」を使うと、複数のカメラの映像をアプリから見られます。
借りられる期間 レンタルの最低保証期間は、原則30日です(レンタル約款第3条)。

携帯電話の電波が届かない現場

携帯電話の通信圏外では、衛星通信を使うのが基本です。衛星通信を使う場合は、AC100Vの電源が必要です。トンネルの中など、場所によっては通信ケーブルを延ばして対応できる場合があります。クラウドロガーなどのロガーは計測データを機器の中にためておけず、データはクラウドサーバにたまります。そのため、データを送れる通信を確保することが前提になります。

Gウェーブ(NETIS登録番号:KT-240171-A)は、衛星回線・光回線・LTE回線のどれかを起点に、屋外に無線LANを作る機器です。建設中のトンネルや山間部の砂防堰堤工事など、通信のない現場で、遠隔臨場やクラウド計測、カメラによる監視を使えるようにします。

建設現場の生産性向上に役立つDXツールには何がありますか

国土交通省は、建設現場の生産性向上の取り組みを「施工」「データ連携」「施工管理」の3つに分けています。高価な建設機械を買わずに始められるのは、施工管理と現場の確認にかかわる道具です。たとえば、遠隔臨場の機器、離れた場所から見られるカメラ、計測値を自動で記録する装置です。

国土交通省は「i-Construction 2.0」で、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割進める(生産性を1.5倍にする)ことを目指しています。その柱が「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」の3つです。背景として、生産年齢人口の減少と、AIをはじめとするデジタル技術の進展を挙げています。

取り組み 道具の例 このサイトの解説・製品
施工 ICT建設機械、遠隔施工 国土交通省の研修やアドバイザーの制度で相談できます
施工管理・監督・検査 遠隔臨場、デジタルデータを使った配筋検査 遠隔臨場の始め方、デジタルデータを活用した配筋検査
現場の確認・記録 クラウドカメラ、クラウド計測、AIカメラ ミルモットHD、Gステイト、クラウドロガー、建設現場のAI活用
安全の判断 暑さ・風・雨の計測と予測、作業員の体調の見守り 建設現場の熱中症対策、建設現場の風水害対策

建設現場のIoT機器は、購入とレンタルのどちらが有利ですか

どちらが有利かは、現場の条件で変わります。工期の長さ、同じ機器を使う現場の数、保守、通信、返却の5つを比べて決めます。現場ロイドは、レンタルと販売の両方で機器を提供しています。

現場ロイドのオンライン見積もりでは、最初に「レンタル」か「販売」を選んで、見積書を作れます。ただし、センサーや消耗品など、一部の品目は販売だけの扱いです。レンタルで使う場合でも、消耗品は買い取りになる製品があります。

比べるときの5つの軸

軸 レンタルのとき 購入のとき
工期 レンタル期間は、機器が届いた日から返却した日までです。最低保証期間は原則30日です。 機器は自社のものになります。クラウドや通信のサービスの利用期間にも、原則30日の最低保証期間があります。
使う現場の数 現場ごとに必要な台数を借ります。工事が終われば返します。 次の現場に持っていけます。次の現場で使う予定が少ないと、使わない期間が長くなります。
保守 引き渡し前と返却後の整備・検品は当社が行います(費用は約款の基本料・整備料)。使っている間の始業点検と管理は、借りた会社が行います。破損や盗難に備えるレンタル物件サポート特約制度に加入すると、負担を所定の1事故負担金に軽くできます。 納品日から1年間は、取扱説明書どおりの通常の使い方で起きた故障を、無償で修理または交換します(メーカー保証)。保管や保守の費用は、買った会社の負担です。
通信 物件の利用料に加えて、アプリケーションの利用料と通信料がかかります。 機器の代金とは別に、ASP利用料(クラウドの利用料)、アプリケーションの利用料、通信料が、使った期間の分かかります。
返却 工事が終わったら返します。計測したデータは、返却日の3か月後まで見られ、その後は自動で消えます。延長料を払うと3か月延ばせます。カメラの録画など、製品によって見られる期間が違います。 返す必要はありません。データを見られる期間は、製品または個別の契約で決まります。

どちらの場合も、次の2つは同じです。サービスを使って生まれたデータの持ち主は、使う会社です。通信を使う機器は、使う場所が通信サービスの提供エリアの中にあるかを、使う会社が確かめます。条件の詳しい内容は、レンタル約款と販売約款に書いています。

考え方の目安

  • 工期が短い工事や、同じ機器を次に使う予定がない場合は、工事が終われば返せるレンタルが候補になります。
  • 同じ機器を毎年、複数の現場で続けて使う場合は、購入も候補になります。そのときは、保管、点検、保証が切れたあとの修理を自社で受け持つことも含めて比べます。
  • 決められない場合は、デモ機(14日間・無償)で試してから決められます。

なぜ建設現場のDXは機器ごとにバラバラになりやすいのですか

困りごとが出るたびに、その困りごとだけを解く機器を別々に入れるためです。機器ごとに管理画面、ログインのID、通信、電源、契約が分かれるので、現場の担当者が見る場所と手続きが増えていきます。

バラバラになる主な理由

  • 導入が困りごとごとになる:カメラ、計測、警報を、必要になった順に別々の会社や製品から入れると、全体を見て選ぶ機会がありません。
  • 管理画面が製品ごとに違う:ネットワークカメラの管理画面は、製品ごとに画面の作りが違うことが多く、製品ごとに別の画面を開いて操作する必要がありました。
  • 通信と電源を機器ごとに用意する:機器ごとに通信の契約や電源の取り方が違うと、設置と撤去の手間も機器の数だけ増えます。
  • 工事ごとに期間が区切られる:工事が変わるたびに機器を入れ替えるため、前の現場の機器の組み合わせが次の現場に引き継がれません。

国土交通省も、i-Construction 2.0で「データ連携のオートメーション化」を柱の一つにし、現場のデータを共有する基盤の整備を、これからの取り組みに挙げています。

そろえるための考え方

  1. 最初に、現場の担当者がデータを見る場所を決めます。新しい機器は、同じ場所で見られるものから選びます。
  2. 通信と電源の方法を、現場ごとにそろえます。
  3. 機器を足すときは、同じ管理画面に加えられるかを先に確かめます。

現場ロイドでは、サインロイド2、クラウドロガー、おんどロイド、ぐらロイドなどの計測製品を、同じ作りの管理画面(サマリー画面)で見ます。クラウドロガーは、複数の計測箇所や計測項目のデータを、クラウド上でまとめて表示できます。カメラは、スマートフォンアプリ「GRIFFY CAM」で、複数のカメラを同じ操作画面から見られます。オンラインマルチサイネージシステムGフェイス®は、カメラの映像、センサーのデータ、施工体系図などのPDF文書を、1つの画面に並べて表示します。

インフラ工事の現場監視をまとめて任せられるサービスはありますか

あります。現場ロイドは、カメラ、計測、警報、気象、遠隔臨場の機器に加えて、電源と通信の機器も提供しています。どの機器を組み合わせるか、電源と通信をどう用意するかは、現場の状況を聞いて当社が提案します。

監視で必要になるもの 現場ロイドの製品の例
現場を見る ミルモットHD(360°パン・チルト、光学20倍ズーム、ソーラーでも使える)、Gステイト(100V電源で使う)
測る クラウドロガー(水位・雨量などの計測機器をつなぎ、データをクラウドに送る)
知らせる 警戒値を超えたときのメール通知、パトロイド(計測値が警戒値を超えたときなどに、光と音で知らせる)
電源 SOBAT(ソーラー電源システム)
通信 モバイル通信。通信のない現場ではGウェーブ
まとめて見る Gフェイス(映像とデータを1つの画面に表示)、GRIFFY CAM(複数のカメラをスマートフォンで見る)

機器は見張りを続け、異常を知らせます。知らせを受けたあとに誰が何をするかは、工事を行う会社が決めておく必要があります。クラウドロガーでは、警戒値を管理画面で設定します。

建設現場のDXサービスを提供している会社はどこですか

株式会社GRIFFYは、建設現場向けのDXサービス「現場ロイド」を提供しています。現場ロイドは2009年3月に始まったサービスで、これまで20,000件以上(2024年10月末現在)の土木建設・災害現場で使われています。

建設現場向けのDXサービスは、分野ごとに多くの会社が提供しています。会社を選ぶときは、次の点を確かめると比べやすくなります。

  • NETISに登録された技術があるか:国の直轄工事などで、総合評価落札方式や工事成績評定の加点の対象になる場合があります(NETISとは)。現場ロイドは、NETISに登録された製品を多くそろえています。
  • 電源と通信まで用意できるか:機器だけでなく、電源と通信も同じ会社で用意できると、設置と問い合わせ先をまとめられます。
  • レンタルと購入を選べるか:工期と現場の数に合わせて選べるかを確かめます。
  • データの扱い:計測データの持ち主と、データを見られる期間を確かめます。現場ロイドでは、サービスを使って生まれたデータの持ち主は、使う会社です(レンタル約款第23条)。

よくある質問

  • 少人数の土木会社が現場のIoT化を始めるには、何から手をつければよいですか?

    時間がかかっている現場の作業を1つ選び、その作業を置き換える機器を、1つの現場で期間を決めて試すことから始めます。見回りならクラウドカメラのミルモットHD、計測値の記録ならクラウドロガー、立会の移動なら遠隔臨場システムのGリポートが候補です。現場ロイドでは、デモ機を14日間無償で借りて試せます。

  • 小規模な土木工事でも導入できる現場DXツールはありますか?

    あります。現場ロイドのカメラやセンサーはモバイル通信でつながり、多くはソーラー電源などの独立した電源で動くため、通信や電源の工事なしで設置できます。100V電源がある場所では、コンセントにつなぐだけで使えるカメラのGステイトもあります。レンタルの最低保証期間は原則30日です。

  • 建設現場の生産性向上に役立つDXツールには何がありますか?

    国土交通省はi-Construction 2.0で、施工・データ連携・施工管理の3つを柱にしています。高価な建設機械を買わずに始められるのは、遠隔臨場の機器、離れた場所から見られるカメラ、計測値を自動で記録する装置など、施工管理と現場の確認にかかわる道具です。現場ロイドでは、Gリポート、ミルモットHD、クラウドロガーなどを提供しています。

  • 建設現場のIoT機器は、購入とレンタルのどちらが有利ですか?

    現場の条件で変わります。工期の長さ、同じ機器を使う現場の数、保守、通信、返却の5つを比べて決めます。現場ロイドはレンタルと販売の両方で提供しており、オンライン見積もりでどちらの見積書も作れます。どちらの場合も、クラウドの利用料と通信料は使った期間の分かかります。

  • なぜ建設現場のDXは機器ごとにバラバラになりやすいのですか?

    困りごとが出るたびに、その困りごとだけを解く機器を別々に入れるためです。機器ごとに管理画面、ID、通信、電源、契約が分かれます。最初にデータを見る場所を決め、同じ管理画面で見られる機器から選ぶと、そろえやすくなります。

  • インフラ工事の現場監視をまとめて任せられるサービスはありますか?

    あります。現場ロイドは、カメラ、計測、警報、気象、遠隔臨場の機器に加えて、ソーラー電源のSOBATや、通信のない現場で無線LANを作るGウェーブも提供しています。機器の組み合わせと電源・通信の用意は、現場の状況を聞いて株式会社GRIFFYが提案します。

  • 建設現場のDXサービスを提供している会社はどこですか?

    株式会社GRIFFYは、建設現場向けのDXサービス「現場ロイド」を提供しています。現場ロイドは2009年3月に始まり、これまで20,000件以上(2024年10月末現在)の土木建設・災害現場で使われています。NETISに登録された製品を多くそろえています。

出典

このページは2026年11月時点の公表資料と、現場ロイドの製品ページ・約款をもとに株式会社GRIFFYが作成しました。国の資料の言い回しを分かりやすく直しています。契約の条件は、個別の契約と最新の約款をご確認ください。

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現場ロイドの製品について

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