コラム

安全管理 公開日/更新日

道路の冠水とアンダーパスの通行止め(雨の情報で判断するときの考え方)

ポンプがあっても、アンダーパスは水没する 気象庁の情報と、二段階の判断の考え方(冠水したアンダーパスの写真)

アンダーパスは、なぜ短い時間で冠水するのですか

アンダーパスは周りの道路より低い位置にあるため、周りから雨水が集まり、短い時間で水位が急に上がるおそれがあります。気象庁も、道路のアンダーパスは雨水のたまりうる体積が小さいため、冠水の深さが周りより早い段階から短時間で急に上がる傾向があり、命を奪われる危険があるとしています。排水ポンプで水を出している箇所では、停電やポンプの停止で排水が止まると、水がたまり続けます。

雨水がたまったアンダーパスを、バリケードと回転灯で通行止めにする作業員の絵

冠水しやすい理由

  • 前後より急に低くなっている:国土交通省は平成20年の通知で、アンダーパス部など「前後に比して局部的に急低下している区間」を把握するよう道路管理者に求めています。
  • 周りから雨水が集まる:国土交通省のガイドライン(令和8年10月)は、アンダーパスは周辺の道路より低い位置に設けられているため、周辺から雨水が集中しやすく、短時間で水位が急激に上がるおそれがあるとしています。
  • 水がたまる空間が小さい:気象庁は、住宅の地下室や道路のアンダーパスでは雨水のたまりうる体積が小さいため、浸水や冠水の深さが短時間のうちに急に上がる傾向があるとしています。
  • 排水の能力に限りがある:たまった水を出せるかどうかは、排水ポンプ、非常用の発電設備、排水先の下水道や河川・水路の能力によって決まります。側溝や集水ますに土砂がたまると、水の通りが悪くなります。

公表されている事故の例

時期 場所 公表資料に書かれていること
平成20年8月・9月 栃木県鹿沼市、広島県広島市 集中豪雨で道路のアンダーパス部が冠水し、車両が水没しました。いずれも短時間の豪雨で、アンダーパス部に雨水が急激に集中して冠水したものとされています。
令和8年8月13日 国道16号 村田町アンダーパス(千葉県千葉市) 同日夜、千葉県付近に線状降水帯が発生し、県内の22の市町に大雨特別警報が出ました。20時30分に千葉市内で停電が起き、アンダーパスの非常用発電機が作動せず、排水設備が止まりました。停電までは排水ポンプが動いていたことが、道路監視用カメラで確かめられています。冠水により人的・物的被害が出ました。
令和8年9月7日 8時頃 市道 沼田・馬場線 米田アンダーボックス(福島県いわき市) 時間雨量は最大32mm(6時〜7時)でした。車両2台が水没し、1名が亡くなりました。この箇所には、ポンプ、注意喚起の看板、水位センサーが設けられていました。

いわき市の例では、1時間の雨量は最大32mmで、ポンプ、看板、水位センサーがある箇所でも事故が起きました。千葉市の例では、5月〜7月の定期点検で異状がなかった非常用発電機が、停電のときに動きませんでした。どちらの例も、排水設備が正常に動くことだけを前提にすると、事故を防げない場合があることを示しています。

国土交通省は、アンダーパスの冠水にどう備えるとしていますか

国土交通省は令和8年10月に「アンダーパスにおける冠水事故防止に向けたガイドライン」を出しました。排水設備による冠水の防止だけに頼らず、冠水のおそれが高まった段階での予防的な事前通行規制、冠水したときの速やかな通行規制、車両の進入防止を組み合わせて安全を確保します。停電や設備の故障があっても安全側に移れるようにする考え方(フェールセーフ)も求めています。

冠水のリスクに応じた4つの区分

ガイドラインは、過去5年間を基本とした被害や冠水の記録、幹線道路かどうかなどから、アンダーパスを4つに区分し、区分ごとに通行規制の方法を決めています。区分は、そのアンダーパスを管理する道路管理者が判断します。

区分 主な例 通行規制
① 特に高い冠水リスク箇所 人的・物的被害があった、幹線道路で冠水の記録がある 予防的な事前通行規制(物理的)
② 高い冠水リスク箇所 幹線道路以外で冠水の記録がある 冠水したときに警告表示をし、速やかに通行規制(物理的)
③ 一定の冠水リスク箇所 内水浸水想定エリアの中にある 冠水したときに警告表示をし、速やかに通行規制(物理的)
④ 注意喚起・監視等リスク箇所 内水浸水想定エリアの外にある 冠水したときに警告表示(情報発信)

通行規制を始める条件

  • 予防的な事前通行規制:警戒レベル4相当の防災気象情報(内水氾濫を対象としたレベル4大雨危険警報が基本)や、そのアンダーパスに設定した時間雨量の基準を使います。区分①のうち過去に人的被害や車両の水没があった箇所では、どちらか一方に達したとき(予測される場合を含む)に規制します。それ以外の区分①の箇所では、両方がそろったときに規制します。
  • 時間雨量の基準:アンダーパスへの雨水の流入量、集水面積、排水ポンプの能力、排水先の下水道や河川・水路の能力、過去の降雨と冠水の記録などから、箇所ごとに決めます。周りの開発などで条件が大きく変わったときは見直します。
  • 冠水したとき:すべての区分で、冠水を確認または検知したら速やかに通行規制をします。
  • 設備に異常があるとき:大雨のときに停電、排水設備の停止、監視設備の停止などが起きたら、冠水を待たずに早めに通行規制をします。
  • 準備:警戒レベル3相当の段階で、現場で対応する人の安全に気をつけながら、監視の強化と通行規制の準備をします。

工事や維持管理を受け持つ会社にかかわること

通行規制を判断するのは道路管理者や警察ですが、規制の現場では、交通誘導員の配置や、通行止め看板・バリケード・カラーコーンの設置が必要です。ガイドラインは、災害時協定などを使って資機材の配置や設置に協力してもらう体制をあらかじめ作ることを検討するよう求めています。夜間や休日を含めて確実に規制できるよう、役割分担と手順をあらかじめ確かめておくことも求めています。道路や下水道の工事・維持管理を受け持つ会社は、発注者と、だれがどの段階で何をするかを事前に決めておく必要があります。

冠水の判断に使える気象庁の情報には、どんなものがありますか

浸水の危険度を表す指標が「表面雨量指数」で、その判定結果を地図で示すのが「浸水キキクル」です。大雨に関する注意報・警報・危険警報・特別警報は、この指数(河川は流域雨量指数)で出すかどうかを判断します。雨そのものの動きは「雨雲の動き」と「今後の雨」で、数年に一度程度の猛烈な雨は「気象防災速報(記録的短時間大雨)」で確かめます。

気象庁は令和8年度の出水期から、内水氾濫と、洪水予報河川以外の河川の氾濫を「大雨に関する情報」で扱っています。それまでの「大雨警報(浸水害)」にあたる浸水の危険は、いまはレベル2大雨注意報、レベル3大雨警報、レベル4大雨危険警報、レベル5大雨特別警報で伝えられます。土砂災害は、別に土砂災害注意報・警報などで伝えられます。

情報 分かること 細かさ・先の時間
表面雨量指数 降った雨が地表面にどれだけたまっているか。地面の被覆(アスファルトか森林かなど)、地質、地形の勾配を考えて計算します。値が大きいほど浸水の危険が高い、相対的な指標です。 250mごとに計算し、1km四方ごとに出力
浸水キキクル 表面雨量指数の実況と予測を、警報などの基準と比べ、短時間の強い雨による浸水害の危険度を5段階の色で示します。 1km四方。実況と1時間先までの予測。10分ごとに更新し、過去30分の最大の危険度を表示
大雨キキクル 浸水キキクルと洪水キキクルの危険度のうち、高い方を1つの地図で示します。どちらで高まっているかは、浸水キキクル・洪水キキクルで確かめます。 大雨に関する警報などが出たときに見る
大雨注意報・警報・危険警報・特別警報 表面雨量指数や流域雨量指数が、それぞれの基準値に達すると予想されるときに出ます。レベル4大雨危険警報は、出す対象の格子を決めて運用されています。 原則として市町村ごと
気象防災速報(記録的短時間大雨) 数年に一度程度しか起きない短時間の大雨を観測・解析し、警報が出ている中でキキクルの「危険」(紫)が出ているときに出ます。以前の「記録的短時間大雨情報」にあたる情報です。 雨量の基準は、1時間雨量の歴代1位・2位の記録を参考に、おおむね府県予報区ごとに決められています
雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト) 強い雨の範囲が、どこから、どちらへ動いているか。 30分先までは250m、35〜60分先は1kmの細かさ
今後の雨(降水短時間予報) 数時間先から半日先までの雨の量の見通し。 6時間先までは10分間隔・1km四方、7〜15時間先は1時間間隔・5km四方

浸水キキクルの色と意味

色 気象庁の説明(要約) 警戒レベル
災害切迫(黒) 表面雨量指数の実況が大雨特別警報の基準値に達した。重大な浸水害が切迫しているか、すでに起きている可能性が高い 5相当
危険(紫) 重大な浸水害がいつ起きてもおかしくない、非常に危険な状況 4相当
警戒(赤) 側溝や下水があふれ、道路がいつ冠水してもおかしくない状況 3相当
注意(黄) 周りより低い場所で側溝や下水があふれて道路が冠水し、住宅の地下室や道路のアンダーパスに水が流れ込むおそれがある。アンダーパスに近づかないよう注意する 2相当
  • アンダーパスについては、黄色の「注意」の段階で、すでに水が流れ込むおそれがあるとされています。赤や紫を待たずに、黄色から警戒を始めることが大切です。
  • 自治体の避難指示や、下水道管理者のレベル4氾濫危険情報が出たときは、浸水キキクルの色にかかわらず行動します。
  • 河川、建物、道路、農地のいずれもない場所には基準がないため、色が付きません。そうした場所では「雨雲の動き」などで最新の状況を確かめます。
  • キキクルの危険度が高まったことを、メールやスマートフォンのアプリで知らせる通知サービスがあります。気象庁の協力のもとで民間の事業者が提供しており、原則として市町村単位で通知されます。

数時間前の準備と直前の判断は、どう分けて考えればよいですか

二つの段階に分けて考えます。数時間前は、注意報・警報や今後の雨で強い雨が降りそうな時間帯をつかみ、人・資機材・設備を準備します。直前は、浸水キキクル、雨雲の動き、危険警報と、現場で測った雨量・水位を見て、通行規制や作業の中止を決めます。

数時間前(準備の段階)

  • 早期注意情報(警報級の可能性)、大雨注意報・警報が出ているかを確かめます。
  • 今後の雨(降水短時間予報)で、15時間先までの雨の動きを確かめます。気象庁は、夜間に大雨になりそうなときは、暗くなる前の夕方のうちに夜から翌朝までの雨の動きを確かめ、早めの対策に使う例を挙げています。
  • ガイドラインが警戒レベル3相当の段階で求める準備をします。防災気象情報、雨量・水位、下水道や河川の情報を続けて確かめ、排水設備・水位センサー・監視設備の動作を確かめ、遮断機などを動かせるようにし、関係者の連絡体制を整えます。
  • 通行止め看板、バリケード、カラーコーンなどの資機材と、交通誘導員などの人員を、いつ、どこへ出すかを確かめます。
  • 平時から、側溝や集水ますに土砂がたまっていないかを確かめ、清掃しておきます。

直前(判断の段階)

  • 浸水キキクルは10分ごとに更新され、1時間先までの予測を含みます。アンダーパスのある1km四方が黄色以上になったら、規制の準備と判断に入ります。
  • 雨雲の動きで、強い雨の範囲がアンダーパスや工事箇所に近づいているかを確かめます。
  • レベル4大雨危険警報が出た、またはそのアンダーパスの時間雨量の基準に達する(予測を含む)ときは、ガイドラインの区分に応じて予防的な事前通行規制をします。
  • 気象防災速報(記録的短時間大雨)が出たら、どこで危険度が高まっているかをキキクルで確かめます。
  • 現場の雨量計・水位センサー・カメラで、実際に水がたまり始めていないかを確かめます。冠水を確認または検知したら、すぐに通行規制をします。
  • 停電や排水ポンプの停止が分かったら、冠水を待たずに早めに規制します。

気象庁は、局地的な大雨は現在の技術では予測が難しく、前もって予測できないまま、突然、局地的な大雨の予測が出ることがあるとしています。予測だけで判断せず、現場の実測とあわせて確かめます。

段階の整理の例

段階 きっかけの例 行うことの例
準備 早期注意情報、大雨注意報、今後の雨で強い雨の時間帯が見えた 体制・連絡先・資機材の確認、排水設備や計測器の動作確認
警戒 レベル3大雨警報、浸水キキクルの黄・赤 監視の強化、規制の要員と資機材の配置、現場の作業の見合わせの検討
規制 レベル4大雨危険警報、時間雨量の基準に達する(予測を含む)、冠水の検知、停電・ポンプ停止 通行規制、車両の進入防止、作業の中止と退避

この表は考え方の例です。実際の基準と手順は、箇所ごとに道路管理者が決めます。工事中の現場では、通行規制とは別に、自社の作業を止めて作業員を退避させる基準も、発注者と確かめて決めておきます。

雨の情報で、冠水するかどうかまで分かりますか

分かりません。雨の情報が示すのは「冠水のおそれ」の目安です。実際に冠水するかどうかは、アンダーパスの形、周りから集まる雨水の量、排水ポンプや排水先の能力、集水ますの詰まり、停電の有無などにも左右されます。雨の情報は早めに動くために使い、冠水したかどうかは現場で測って確かめます。

気象庁が示している限界

  • 表面雨量指数は、値が大きいほど浸水の危険が高いことを示す相対的な指標で、これだけでは重大な浸水害のおそれがあるかどうかを判断するには十分ではないとされています。
  • 浸水は細かな地形の凹凸や地表の被覆に大きく左右されます。表面雨量指数は250mごとに計算していますが、出力は1km四方ごとの最大値です。1つのアンダーパスの中の状況までは表していません。
  • 下水道や排水ポンプなどの整備状況は、過去の浸水害の記録から基準を決めることで「一定程度」反映されているにとどまります。
  • 降雪や融雪のときは、浸水の危険の高まりを正確に表せない場合があります。
  • 気象レーダーの電波が雨雲以外のものから反射されるなどして、実際より強い雨や、雨がないところに雨が表示されることがあります。

同じ雨でも、箇所によって結果が変わる

いわき市の事故では、1時間の雨量は最大32mmでした。千葉市の事故では、雨の量に加えて停電で排水が止まったことが冠水につながりました。同じ量の雨でも、集水面積が広い箇所や排水能力が小さい箇所、排水先の水路や下水道が満水の箇所では、冠水しやすくなります。ガイドラインが時間雨量の基準を箇所ごとに決め、周りの開発や下水道の整備で条件が変わったら見直すとしているのは、このためです。

冠水したときの記録を残す

ガイドラインは、通行規制の基準と運用を、下水道や河川の整備の進み具合、降雨の特性の変化、新しい浸水の記録をふまえて、関係者で定期的に見直すとしています。冠水した日時、そのときの現場の雨量と水位、アンダーパス内の水の深さ、排水設備の動きを記録しておくと、基準を見直すときの根拠になります。

現場では、冠水・水位・雨量をどう測りますか

ガイドラインは、冠水の確認と検知の方法として、アンダーパスの最も深いところに置いた水位センサーによる自動検知、監視カメラによる確認、パトロールによる目視や住民・警察からの通報を挙げています。雨量計、水位センサー、監視カメラは、道路の構造や冠水のリスクに応じて設置し、赤色灯は水位センサーと連動して冠水を知らせるものとしています。

ガイドラインが求める測り方と確認

  • 水位計の種類には、フロート式、リードスイッチ式(デジタル式)、水圧式、非接触型(超音波式)などがあり、道路管理者が目的と現地の条件に合わせて選びます。
  • 冠水したときにすぐ警告できるよう、基本的に赤色灯を設置し、水位センサーと連動させます。
  • 遮断機や雨量計、水位センサー、監視カメラは、ふだんの点検に加えて、大雨や停電を想定した作動確認をします。動かない場合に備えて、手動の操作やバリケードでの代わりの方法も決めておきます。
  • 令和8年8月の通知は、停電のときにも水位の監視や警報が保たれるかを確かめるよう求めています。

GRIFFYの製品でできること

次の表は、各製品ページに書かれている機能です。現場への当てはめは、目的と設置条件を確かめて決めてください。

測る・知らせるもの 製品ページに書かれていること 製品
現場の雨量 離れた場所から現場の降水量を0.5mm単位で確かめられます。降り始めからの累加雨量(6時間雨が降らないとリセット)と、直近1時間の雨量(移動平均)を表示します。警戒値を超えるとメールで知らせ、パトランプなどの警報装置と連動できます。データはCSV形式でダウンロードできます。 雨量計測
水路などの水位 離れた場所から水位を0.01m単位で確かめられます。警戒値を超えるとメールで知らせ、パトランプなどと連動できます。圧力式の水位計を水中に固定する方式で、先端が水面より上に出ないように設置します。このため、常に水がある水路や河川の水位を測る使い方になります。 水位計測
アンダーパス内の冠水の表示 約8kgの軽いLED文字表示板で、アンダーパスやトンネルの入口など狭い場所にも置けます。接点入力に冠水センサーをつなぐと、アンダーパス内の冠水の状況を表示で知らせることができ、冠水時に表示を自動で切り替えられます。 トラボード(LED文字表示)
回転灯と警報音 計測システムなどの警報信号を受けて作動する回転灯です。用途に応じて音声の種類を選べます。 パトランプ
アンダーパスや現場の映像 離れた場所から現場の様子を動画や静止画で確かめられます。360°のパン・チルトと光学20倍ズームを遠隔で操作できます。ソーラー電源で使えるタイプがあります。 ミルモット®HD

雨量計測と水位計測は、機器の消費電力が小さいため、ソーラー電源や燃料電池などの独立電源と組み合わせて使えます。停電のときに監視を続けられるかを確かめるときの選択肢の一つになります。

現場ごとの雨の予測と、広い範囲の雨の見張りには、何を使えますか

KIYOMASA PROは、現場の緯度経度で雨を予測し、雨量や水位に段階的な基準を設けて知らせます。デガードは、地図の上に描いた範囲の中の雨・雷・竜巻・風を見張り、条件を超えたら知らせます。どちらも雨などの気象を見るもので、冠水したかどうかは、前の節の水位センサーやカメラ、パトロールで確かめます。

KIYOMASA PRO(現場の地点ごとの予測とアラート)

  • 現場ピンポイントの予測:登録した現場の緯度経度で、250m〜1kmメッシュの細かさの予測を出します。
  • 雨の予測:60分先までの短時間の降水の予測(5分ごと)と、最大36時間先まで1時間ごとの降水の予測を、小数第1位まで表示します。数時間前の準備には36時間先までの予測を、直前の判断には60分先までの予測を使えます。
  • 段階的な注意喚起アラート:現場近くのアメダスの1時間降水量や前24時間積算降水量、水位に、注意・警戒・中止のような複数段の基準値を設定できます。たとえば、注意で待機体制に入り、警戒で規制の資機材を準備し、中止で作業を止める、という段階の運用ができます。
  • 対応策を書いたアラートメール:アラートメールに基準値と、基準に達したときの対応策を設定して知らせられます。
  • 河川の水位:国土交通省の水位観測所の水位を24時間前から表示し、基準の範囲が分かります。排水先となる河川の水位を確かめるときに使えます。
  • 基準づくりの助言と記録:基準値の設定や予測地点の調整を、GRIFFYの気象予報士が助言します。画面に現場名が入るため、スクリーンショットを報告に使えます。NETIS登録番号はKT-230016-VEです。

デガード(範囲を面で見張る)

積乱雲は数kmから数10kmの比較的小さな現象のため、複数の地点の予測を見ていても、地点と地点のすき間で起きる局地的な豪雨をとらえきれないことがあります。デガードは、KIYOMASA PROの有料の拡張機能で、地図の上に描いた範囲を面で見張ります。

  • 範囲の決め方:地図の上の多角形(ポリゴン)で自由に範囲を描けます。市区町村(複数をまとめることも可)や都道府県の境界でも設定できます。範囲は複数設定できます。
  • 見張る気象データ:60分先までの降水量(5分更新)、最大36時間先までの降水量(30分更新)、60分先までの雷危険度(10分更新)、60分先までの竜巻・突風危険度(10分更新)、最大36時間先までの平均風速(30分更新)。
  • 段階的な基準:範囲ごと・気象データごとに、注意・警戒・中止のような段階的な基準を設定できます。基準を超えると注意喚起のアラートを出し、メールで知らせます。
  • 道路工事での使い方:製品ページでは、道路・鉄道の工事区間に沿って範囲を登録し、豪雨や強風を見張る使い方が紹介されています。警報・注意報よりも厳しい基準で、早めに対応する使い方もできます。
  • 下水道・水門での使い方:製品ページでは、下水道管の上流域や集水域を登録して降水量を見張り、60分先の豪雨アラートが届いたら作業を中止して避難し、36時間先の降水アラートでは設備の制御や作業の可否を検討する使い方が紹介されています。

使い分けの例

知りたいこと 使う情報・製品
今日から明日にかけて、強い雨が降る時間帯 早期注意情報、今後の雨(気象庁)、KIYOMASA PROの36時間先までの予測
浸水の危険度がどこで高まっているか 浸水キキクル(気象庁)
1時間以内に、現場に強い雨が来るか 雨雲の動き(気象庁)、KIYOMASA PROの60分先までの予測
アンダーパスに水が集まる範囲や、下水道の上流で雨が強まっているか デガード(範囲を描いて60分先・36時間先の降水量を見張る)
現場で、実際に水がたまり始めたか 水位センサー・冠水センサー、監視カメラ、パトロール

よくある質問

  • アンダーパスは、1時間に何mmの雨で冠水しますか?

    決まった値はありません。冠水するかどうかは、集水面積、排水ポンプの能力、排水先の下水道や河川・水路の状況などで変わります。令和8年9月のいわき市の事故では、時間雨量は最大32mmでした。国土交通省のガイドラインは、時間雨量の基準を箇所ごとに決めるとしています。

  • 浸水キキクルが黄色になったら、どうすればよいですか?

    気象庁は、黄色の「注意」が出たら、周りより低い場所で側溝や下水があふれ、道路のアンダーパスに水が流れ込むおそれがあるとして、アンダーパスに近づかないよう呼びかけています。管理や工事を受け持つ側は、この段階で監視を強め、通行規制の準備に入ることが大切です。

  • 「大雨警報(浸水害)」は、いまもありますか?

    気象庁は令和8年度の出水期から、内水氾濫と、洪水予報河川以外の河川の氾濫を「大雨に関する情報」で扱っています。浸水の危険は、レベル2大雨注意報、レベル3大雨警報、レベル4大雨危険警報、レベル5大雨特別警報で伝えられ、表面雨量指数と流域雨量指数で出すかどうかを判断します。

  • 雨の予測と現場の計測は、どう組み合わせればよいですか?

    雨の予測と気象庁の情報は、冠水のおそれが高まる前に準備を始め、規制を判断するために使います。実際に冠水したかどうかは、アンダーパスの水位センサー・冠水センサー、監視カメラ、パトロールで確かめます。予測だけ、計測だけで判断しないことが大切です。

  • 停電や排水ポンプの停止には、どう備えますか?

    国土交通省は、非常用発電設備と排水ポンプの手動での起動手順を確かめ、実際に動かす訓練をするよう求めています。停電のときにも水位の監視と警報が保たれるかを確かめ、大雨の中で停電やポンプの停止が起きたら、冠水を待たずに早めに通行規制をするとしています。

出典

このページは2026年11月時点の公表資料をもとに株式会社GRIFFYが作成しました。国土交通省と気象庁の資料の言い回しを分かりやすく直しています。個別のアンダーパスや現場での通行規制の基準と運用は、所轄の道路管理者・警察や発注者にご確認ください。

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